麻生荘太郎『闇の中の猫』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ

 「ぼくには、この不一致が犯人の行動を暗示しているような気がするのです。それに犯人が『狂った』シリアル・キラーであったとしても、彼なりの論理が存在するはずです」(P238より)

闇の中の猫 (ミステリ・フロンティア)

闇の中の猫 (ミステリ・フロンティア)


 
ミステリアス
クロバット
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル40


 サイコ・スリラーをひねってひねりあげた本格もの。作風の方向性としては、西澤保彦に近いかも。今後は、専門領域のディープなところが“本格”にあらまほしき逆説の美学につなげられているようなものを期待したい。