蒼井上鷹『堂場警部補の挑戦 』(創元推理文庫)レビュー

本日のエピグラフ

 「しかもあいつは、別のところで『元警察官の書くミステリなんてろくなもんじゃない。そういうやつらが応募してきたら問答無用で落とす』とまで書いてる」(「第四話 堂場IV/切実」P228より)

堂場警部補の挑戦 (創元推理文庫)

堂場警部補の挑戦 (創元推理文庫)



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 短編ミステリの技巧を尽くして、作者の期待値を満足させるけれども、連作短編集としての結構はやや難があるような感じ。堂場を狂言回しにしているといったほうが正確なのではないかと思う。第三話の倒叙風のものも面白いけれども、第二、四話のフーダニットの話の運び方に、作者の本領発揮を見る。