門井慶喜『血統(ペディグリー)』(文藝春秋)レビュー

血統(ペディグリー)

血統(ペディグリー)



 物語の設定の妙味。テーマは題名に刻印されている通りだけれども、それにしても、日本画家の末裔とアングラのブリーダーの交流が、どういう方向に小説を動かすのか、予断を許さない。芸術家小説として異色のサスペンス。