門井慶喜『この世にひとつの本』(東京創元社)レビュー

この世にひとつの本

この世にひとつの本



 面白い。出版業界のうちの印刷会社という特殊領域を題材にしているので地味なことは確かだけれども、作者の語り口に乗せられていくうちに、怪死事件のとんでもない真相が。さらに、芸術家の想念の歪なかたちも描かれているのが、この作者ならでは。