東川篤哉『はやく名探偵になりたい』(光文社)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)もちろん僕にはこの事件がすべて完璧にお見通しだったとも! いままで沈黙していたのは、いわゆる名探偵特有の倫理観で――」(「七つのビールケースの問題」p.133)

はやく名探偵になりたい

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 作者のメインシリーズの短編集。お約束のギャグと展開のスラップスティックさ、脱力と狂騒の数珠繋ぎに、数々のギミックが炸裂。「七つのビールケースの問題」は、ホワイダニットからのハナシの転がし方が、いい感じ。「宝石泥棒と母の悲しみ」はいいお話です。