太田忠司『道化師の退場』(祥伝社)レビュー


道化師の退場

道化師の退場


 途中までクリスティーっぽいって思ったんですよ。作者はナラティブのなかに伏線やら何やら仕込むの上手いってこともあるし。人間心理の襞の部分に奸計をめぐらす手付きはさすが、だが……結末は、あまりカタルシスの深度を測ってるようには思えないが。