坂木司『シンデレラ・ティース』(光文社)レビュー

シンデレラ・ティース

　

ミステリアス	７
アクロバット	７
サスペンス	７
アレゴリカル	８
インプレッション	７
トータル	３６

　いやー、新鮮でした。“日常の謎”系医療ミステリ。というより「歯医者さんミステリ」といったほうがいいですね。作者は、職業小説を<本格>の文脈で語る路線をしばらく突き進むみたい。<身体>をめぐるトラブルをめぐる推理が、人間関係の襞をより分けていく。スマート。特に、「遊園地のお姫様」に出てくる、「あたし、可愛い？」は、“日常の謎”本格における、屈指の名台詞。