恒川光太郎『雷の季節の終わりに』(角川書店)レビュー

雷の季節の終わりに

雷の季節の終わりに


 
 日ホラ賞デビューでいきなり直木賞が射程に入ってしまった作者の受賞第一作。うん、こんなスタンスでいいんじゃないかしらん。“成長”するってことは、<ふるさと>から離脱するってことです。凄まじく荒々しい<自然>から追放されるってこと。でないと、そいつに憑かれることになる。