講談社BOX & Amazon.co.jp共同企画『島田荘司 very BEST10』読者投票 に投票をしました



 ということで、今までの短編を読み返してたわけなんですが、げに疎ましきは中間発表ですな。こういうのは、ありがたメイワクというところがありまして、ラインナップを考える気力が萎えちゃう。ひとつは、当選圏内と思しき10位以内の作品が、みな御手洗ものであることで、ノン・シリーズの作品をここに投じても、意味ないかなあ、とシラけているのと、これとは真逆に、当確ラインに近い五作のうち、三作までがワタクシ的にオッケーだったので、まあ、これで落ち着きどころはいいかしらん、と思ったりしたからなんですけれども。…………にしても、喜国雅彦も言及している『網走発遥かなり』の、この収録作が、もっと上位に来てもいいのに。とりわけ、複数の乱歩アンソロジーに採用されている、「乱歩の幻影」は、都市小説とノスタルジックな雰囲気が、作者の“奇想”のなかに溶け込んでいて、作者にとって最も幸福な作品ではないか。――それにしても、ねえ。

網走発遥かなり (講談社文庫)

網走発遥かなり (講談社文庫)