本日のエピグラフ
親子鑑定の場合、絶対違う、と判断するほうが簡単です。ひとつでも違えば親子ではないわけですから。(P158〜159より)
- 作者: 石崎幸二
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 10 |
サスペンス | 7 |
アレゴリカル | 7 |
インプレッション | 10 |
トータル | 42 |
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いやこりゃ面白いおもしろい。古典的トリックの現代的再生というだけでなく、トリック解明における陰と陽の反転の鮮やかさ、という点においても、例えば三津田信三『首無の如き祟るもの』に十分に比肩しうる。ともあれ、「DNA」を探偵小説的ガジェットに変貌させたのは、作者の功績で、要するに、科学捜査の輝ける象徴から、イカガワシイ匂いのするものへと、<本格>というジャンル内で、意味合いが転換した、ということだ。後続の作家が、本作の達成を踏まえて、更なるアクロバットを演じてくれるのを期待したいところだ。…………もちろん、本作の“物語”が、トリックの鮮烈さに拮抗しうるだけの“見映え”があるかどうか、は別問題だけれども。