永井するみ『レッド・マスカラの秋』(理論社)レビュー



 ティーンネイジャーを主人公に業界小説を書くと、成長=教養小説として違和感ないものになるのだなあ、と感心。まあ、フツーの成長小説に頭を殴られて気を失うシーンなんて出てきませんが。前作と同じく、PI小説の勘どころを押さえながら、青春小説としての瑞々しさを湛えている。