山口芳宏『妖精島の殺人 上・下』(講談社ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)でも現在のテクノロジーなら、自分が生きているうちに理想郷をつくることも可能だ。(…)」(上巻 P166より)

妖精島の殺人(上) (講談社ノベルス)

妖精島の殺人(上) (講談社ノベルス)

妖精島の殺人(下) (講談社ノベルス)

妖精島の殺人(下) (講談社ノベルス)


 
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トータル42


 大ネタ一本でいく、というのとは、微妙に一線を画しているけれども、派手な展開とみるか、コード型進行を担保にとったとみるのか。結末まで読者を翻弄するけれども、であればこそ、一気読みできるように一冊でまとめてほしかったなあ、と。金融恐慌のご時世に、こんなお話を読むのも、なかなか乙なもの。