小島正樹『武家屋敷の殺人 』(講談社ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ

 (…)すっかり冷たくなった亡骸を、じっと見つめる。(…)私は笑おうとしている。けれどほかに、なにができるというのだろう。(P221より)

武家屋敷の殺人 (講談社ノベルス)

武家屋敷の殺人 (講談社ノベルス)


 
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トータル41


 重層的な謎の設定、そのネタの振り方はもう堂に入ったもの。島荘の物語におけるダイナミズムの骨法をマスターしているのが、はっきりわかる。その物語自体に拡がりが欠けているのが、やや難か。