本日のエピグラフ
十年も待ちこがれていた子供に、再会できたとする。そのときに、子供が喜びのあまり抱きついてくれるという保証はないのだ。(p.142)
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/08/04
- メディア: 新書
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 8 |
サスペンス | 9 |
アレゴリカル | 10 |
インプレッション | 9 |
トータル | 44 |
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作者の近年の作品の中では、最もツボにはまった。善と悪の両義性を、不気味なものとしてきっちり描き出した。だから、いい感じに見える結末も、不吉さを孕んでいる。この両義性は、価値観の相対主義に基づいているので、やっぱりこの人はコミュニタリアン的気質はあるのだろう。そして、モラルの反転性に自覚的な部分が、強烈なサスペンスを醸し出すのだ。