本日のエピグラフ
(…)つまり彼女の目指した世界の浄化とは、単なる象徴的な意味ではなく、恐ろしいほど具体的な刷新行為だったのです。これが僕の解釈です。(P193より)
- 作者: 深水黎一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/09/30
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 8 |
サスペンス | 9 |
アレゴリカル | 9 |
インプレッション | 9 |
トータル | 43 |
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芸術小説が、対象作品に対する批評的言及、あるいは批評小説たることを志向するのは当然として、それがサスペンスを必然的に醸成しているのは、作者の筆力の賜物。謎解きのあとに訪れる、真のクライマックス。「炎」は一瞬の幻影を現前させたあと、“灰”を残して消え去りゆく。この上質な戦慄と、カタルシス。この作品がこの作者にとってのアベレージに過ぎないかも、と想像すると、何だか空恐ろしくなるけれども。