加賀美雅之『縛り首の塔の館 シャルル・ベルトランの事件簿 』 (講談社ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)君があまりにも話を誇張して書くものだから、とうとう私は妖怪変化の専門家にされてしまったようだよ――」(「吸血鬼の塔」p.236)



ミステリアス
クロバット
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル42


 愉しめました。「白魔の囁き」「吸血鬼の塔」がオレ的なツボ。ベタなゴシックホラー装置を、それでも読ませるのは、やっぱり年の功なのかなあ。若いひとには、いたずらに鼻白ませずに、たぶん書けないよね。探偵小説のある種の職芸的要素を感じさせる。