- 作者: 高井忍
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/02/21
- メディア: 単行本
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史実再検証読物として面白く読んだのですが、小説としての作者のねらいが奈辺を目指したのかが、ちょっとつかみ切れませんでした。「俗説」なるものをめぐる屈託の意識を前面に出しているのですが、何というか、あらかじめから、あまり真に受けないで下さい的なシグナルを発信するのは、その後の精緻さを目指された史料検討に読み手が付き合うのに、モチベーションが下がってしまうのでは、と。従来の「歴史ミステリー」におけるハッタリのありように、一石を投じたということかも。