2013-08-20 伊坂幸太郎『死神の浮力』(文藝春秋)レビュー 作者名ア行 死神の浮力作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/07/30メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (49件) を見る 浮かぶものと沈むもの。いや、浮かべるものが、沈めさせることができるのだろう。作者が、不条理な暴力性を何度も主題にするのは、倫理性そのものの抹殺に抵抗し、対抗するための橋頭堡を築こうとしているのではないか、と思わせる。他者を弄った者に下されるのは、フィジカルに反転した極刑で、ブラック・ユーモアとしても、最高だ。