本日のエピグラフ
「(…)本格マニアなら、勿論、シャーロック・ホームズは読んでいるんだろう?」/(…)/「全部は読んでいません。有名なものだけです」/(…)/「なにしろ、あの時代のイギリスは苦手でして――」(p.37)
アジアン・ミステリー (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)
- 作者: 獅子宮敏彦
- 出版社/メーカー: 南雲堂
- 発売日: 2014/09/19
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 9 |
アクロバット | 9 |
サスペンス | 8 |
アレゴリカル | 8 |
インプレッション | 8 |
トータル | 42 |
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タイトルから、どうしてもエキゾチズムな欲望を読み手は作動させてしまうが、内容は山田正紀『ミステリ・オペラ』にも匹敵する、濃密な政治力学が支配する物語空間で、奇想が十二分に炸裂する。マニアックな感性が、スノビズムに帰結することなく、“出来事”としてのダイナミズムを顕現させる方向性を、奇想系本格のモチベーションは担保させるのだなあ、と。