天祢涼『都知事探偵・漆原翔太郎  セシューズ・ハイ』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)答は簡単。みなさん、基本的にはすべて政治家にお任せだからです。(…)結果、地方自治体の首長は長期政権を実現できるのです。要は、情けない総理を辞めさせようと奮闘する国会議員の方が、みなさんよりはるかに気骨があるわけですよ。(…)」(第一話「出馬」p.51) 

都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ

都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ



ミステリアス
クロバット
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション10
トータル45


 待望のシリーズ第二弾。主人公の道化師ぶり、あるいはファルマコンぶりにウットリ。作者の描出・演出力にも磨きとドライブがかかり、大満足だ。探偵小説的興味と、政治ゲームの戯画化を、なんとかこれからも両立してほしいと願うし、当然もっと売れてほしい、とも。