2014年11月版



『沈黙』は、話運びがよかった。思った以上に、話に起伏があって、文芸チックな味わいを醸し出しつつも、読者をきっちり翻弄してくれる。もうそろそろ日本の作家も、こういう次元のものを物してもいいよね。『夜明』みたいな主題性のものは、興を覚えるわけですよ。説得的に展開できたかどうかは、留保付きながら、も。ロング・グッドバイの後日談は、訳者がどれだけムラカミを意識しているかに注目が集まったりしているわけだけれども、ワタクシ的にはポアロ2.0推し。解説では、ちょっと留保を付けているけれども、結構新鮮な感じがしましたですよ。
 

★★★★★…………面白い!
★★★★…………読み応えあり。
★★★…………一応、満足。


沈黙の果て〈上〉 (創元推理文庫)

沈黙の果て〈上〉 (創元推理文庫)

沈黙の果て〈下〉 (創元推理文庫)

沈黙の果て〈下〉 (創元推理文庫)

★★★★


夜明け前の死 (新潮文庫)

夜明け前の死 (新潮文庫)

★★★★


モノグラム殺人事件 (〈名探偵ポアロ〉シリーズ)

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★★★★