2013年4月版



 ウォルターズのは、評判通りの傑作。女性作家の性差は、パニック小説を書くときに露骨に表れると前々から思っていたけれども、ますます確信が深くなった。『雪の女』は、フィンランド発、社会の諸相を串刺しにするスタンスをオーソドックスに受け継ぎながらも、探偵小説のオーソドキシーに回帰するのがいい。シーラッハの前作を読んで、もしかしたらいい読者じゃないかも、と思ったけれども、『コリーニ』を読んで、ほっとする。法律の解説の箇所でも、きちんと小説の匂いをさせるのは、さすが。
 
★★★★★…………面白い!
★★★★…………読み応えあり。
★★★…………一応、満足。


遮断地区 (創元推理文庫)

遮断地区 (創元推理文庫)

★★★★★


雪の女 (創元推理文庫)

雪の女 (創元推理文庫)

★★★★


コリーニ事件

コリーニ事件

★★★★