久住四季『星読島に星は流れた』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ

 「それぞれが唯一無二。そして、この島を訪れて多くの情報をもたらしてくれる。わたしにとっては、皆さんこそが、“隕石”そのものなんです」(p.105) 



ミステリアス
クロバット
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル44


 PR文には「俊英」とあるけれども、キャリアからみれば中堅どころでしょう。さすがに、知的好奇心をくすぐるような筆捌きは堂に入ったもので、惨劇が起これば予定調和的ニュアンスが入り混じるのは、むしろ余裕すら感じさせる。クライマックスは重層的にギミックを炸裂させて、物語をスマートに着地させたと思う。次作もこの調子で。