2015年10月版



 クイーンの「外典」は、やっぱり密室トリックとその手がかりの出し方が面白かった。当時の味といえばそうなのだが、現在の日本の若手作家が、同じ原案を差し出されたら、どうカタチにするか、想像するのも一興。ルメートル第一次大戦トラウマ小説は、近代というものの代償を、エンタメの範型にうまいこと落とし込んで描いて、作者の文学性というより職人作家性を感じ取れてマル。『トレイン』は、物語の緩急を、断章形式でうまく付けて、読みやすくしたのが吉と出た。


★★★★★…………面白い!
★★★★…………読み応えあり。
★★★…………一応、満足。


★★★★


天国でまた会おう

天国でまた会おう

★★★★


ガール・オン・ザ・トレイン(上) (講談社文庫)

ガール・オン・ザ・トレイン(上) (講談社文庫)

ガール・オン・ザ・トレイン(下) (講談社文庫)

ガール・オン・ザ・トレイン(下) (講談社文庫)

★★★★