- 作者: 関田涙
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 8 |
サスペンス | 7 |
アレゴリカル | 7 |
インプレッション | 7 |
トータル | 37 |
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<名探偵>という特権的地位が毀損されているのが、クローズドサークルテーマの物語的構造ではあるのだけれども、このサークル内の誰もが<容疑者>であり<被害者>予備軍であるというナラティヴな封印を、この場合の真の<探偵>役である<読者>が解き放つのにおいて、<読者>が<犯人>を指摘する(ように<作者>が作為する)にあたって、(<読者>が)<名探偵>は誰なのかを確定させる階梯を経ること、クローズドサークルの象徴的開放が必要条件として提示されるのは、興味深い趣向であると思った。…………あとは、物語の細部のリアリティだよなあ。この「仇討ち制度」は、死刑存置と廃止の折衷案としてはコストがかかりすぎますです。このコスト負担が納得されるような社会的変動のストーリーがほしかった。それは、作者の小説的テーマのひとつとして企図したものを描くのにも必要ではなかったか。もっと重厚でいいのに。