本日のエピグラフ
「名探偵を前にして緊張するのは解ります。けれどまあ落ち着いて」/(…)/「さあご依頼を!」(P228より)
- 作者: 小島正樹
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2010/01/25
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 10 |
アクロバット | 10 |
サスペンス | 8 |
アレゴリカル | 7 |
インプレッション | 8 |
トータル | 43 |
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奇想系本格の王道を行っていて、素直に面白かった。屍体にまつわる作為は、あまりにも詭計めいていて、かえって花マル。だから、作者のぶつかっている最大の困難さは、名探偵という表象をめぐる通念の呪縛、換言すればキャラ設定のお約束から、いかに逃れるか、であると思う。刑事キャラが担保するリアリズムと、名探偵キャラの体現する(セルフ)パロディ的要素の同居が、小説空間を微妙に不安定にさせているが、まだ名探偵小説の新機軸を手探りしているところなのだろう。