小島正樹『永遠の殺人者  おんぶ探偵・城沢薫の手日記』(文藝春秋)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)ほかにひどい体験をした場合、回避行動という症状が出る。その名のとおり事件の起きた場所や、事件を喚起させるものを、意識的に、あるいは無意識に避けようとするんだ。(…)」(p.141)

永遠の殺人者 おんぶ探偵・城沢薫の手日記

永遠の殺人者 おんぶ探偵・城沢薫の手日記



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トータル42


 作者の新キャラ登場。トリック・メーカーとしての辣腕を振るっていて、愉しめる。まだ登場人物たちの印象が深くないけれども、次作以降のキャラクターそれぞれの動かし方にかかっているのだろう。できれば、同じ奇想系を目指すにしても、作者の他シリーズと一線を画す謎の演出を期待したい。