島田荘司『ゴーグル男の怪』(新潮社)レビュー

ゴーグル男の怪

ゴーグル男の怪



 『追憶のカシュガル』は、小説の巧さをひたすら堪能したけれども、このひと独自の枯淡の境地とでもいうべき味わいだった。新作のこっちは、物語の拡がりからいうと長編というよりかは中編レベルだけれども、原発問題の絡め方が、このひと独特の不気味さを演出。