- 作者: 竹田青嗣,西研
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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竹田青嗣の名作『陽水の快楽』の文庫解説で、見田宗介は竹田の思想を、ニーチェ、バタイユの視線を浴びたフッサールと評していた(たぶん)。本書の基本的なスタンスは、「おわりに」で西研がまとめているように、まさしくバタイユを経由したヘーゲルなのである。「至高なもの」をめぐっての西の見解は、バタイユ的な「自我の解体」が、実は現在においては、リースマンのいう「他人指向」の次元に頽落しているという事態が、そのアクチュアリティを支えていると言っていいように思う。西のいう「生の方向」とは、“欲望”における<自由>のありかたということで、ここから著者たちは、“欲望”論からする社会哲学の構築を企図しているが、<自由>という思想の行方を追究するためにも、著者たちの今後の展開を俟ちたい。