高井忍『漂流巌流島』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ

 「ドラマってのは、人間さまの生き方やら社会の出来事やらをデフォルメして描くもんだからな。限られた時間と予算の枠組み内で面白おかしく」(「慟哭新撰組」P203より)

漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)

漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)


 
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 歴史=物語であるならば、歴史ディテクティブというのは、メタ物語になるんかな。ってことで、設定の妙味が、小説を面白くしています。<歴史>の“真実”を追究しようとして、その実、相対化はきっちりできている。“逆説”に賭けられる可能性は、新たなリアリティの創出である。