三津田信三『密室の如き籠るもの』(講談社ノベルズ)レビュー

本日のエピグラフ

 「はい。合理的な解釈の範囲内であれば――」/「(…)まさか、これから非現実的な解釈をなさるおつもりじゃないでしょうね」/「それは、まだ早いと思います」(「密室の如き籠るもの」P301より)

密室の如き籠るもの (講談社ノベルス)

密室の如き籠るもの (講談社ノベルス)


 
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トータル41


 短編集だけれども、シリーズのエッセンスを手際よく凝縮して、まずは満足できるものでしょう。ロジックとトリックのありえなさが、いい感じで組み合わさった「隙魔の如き覗くもの」が個人的ツボ。短編では、怪談というより冗談ぎりぎりのセンで、呆気にとられるものを望みたいなあ。