千澤のり子『マーダーゲーム 』(講談社ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)例えば、自分の苦手な<モノ>をスケープゴートにした場合、それを犯人役になった人に、自分の代わりに<殺してもらう>ことで、弱点を克服できるかもしれない。(…)」(P15より)

マーダーゲーム (講談社ノベルス)

マーダーゲーム (講談社ノベルス)


 
ミステリアス
クロバット
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル41


 うまいうまい。こういう仕掛け方はツボです。物語の基本的設定であるゲームのルール自体が若干の無理矢理さは否めないけれども、その後の展開は、適度なディスカションも含めて、なかなかの盛り上がり。“本格”とスリラーを融合する方向性を、つきつめてもらいたいもの。