島本理生『あなたの呼吸が止まるまで』(新潮社)レビュー

あなたの呼吸が止まるまで

あなたの呼吸が止まるまで



 
 “秘密”の共有をめぐる物語。というか、プライベートの領域をどう変成=編成させるかで、純粋な関係を作り上げていくか、というのはこの小説のテーマのひとつだと思う。その過程で、自己が分裂するのを、どのように意味づけていくか、というのことに“成長”の契機を見ていると感じた。