2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

引き続き、2006ミステリ年度上半期作品のレビューを転載します。♪読んで〜読んで〜読まれて〜読んで〜、読んで〜読み続けて眠るまで〜♪

篠田真由美『螺鈿の小箱』(東京創元社)レビュー

螺鈿の小箱作者: 篠田真由美出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/11/23メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル8 インプレッション7 トータル39 あとがきにもあ…

後藤均『グーテンベルクの黄昏』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ だがね、いくら焚書をしても印刷機がある限り、邪悪な書物は無限に作られていく……(P238より) グーテンベルクの黄昏 (創元クライム・クラブ)作者: 後藤均出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/10/20メディア: 単行本この商品を含む…

芦辺拓『少年は探偵を夢見る――森江春策クロニクル』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ ――物語の中のたちは、いかにしてそう呼ばれる存在になったのでしょうか。(「あとがき」、P337より) 少年は探偵を夢見る―森江春策クロニクル (創元クライム・クラブ)作者: 芦辺拓出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/03メディア: …

引き続き、2006ミステリ年度上半期作品のレビューを転載します。読書亡羊呆然唖然。

辻村深月『凍りのくじら』(講談社ノベルズ)レビュー

凍りのくじら (講談社ノベルス)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/11/08メディア: 新書 クリック: 52回この商品を含むブログ (168件) を見る ミステリアス7 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル8 インプレッション8 トータル38 …

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(新潮社)レビュー

本日のエピグラフ それは、いつもぼくの胸の中にある思いだった。/この世界は、どこかおかしい。(P33より) 向日葵の咲かない夏作者: 道尾秀介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/11メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (150件) を見…

筒井康隆『銀齢の果て』(新潮社)レビュー

銀齢の果て作者: 筒井康隆出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/01/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (75件) を見る ミステリアス6 アクロバット7 サスペンス9 アレゴリカル9 インプレッション8 トータル39 この作品…

「予言」する探偵小説4-Ⅲ

今回の文章も東野圭吾『容疑者Xの献身』の内容に触れています 富樫と「富樫」は、果たして、同一「宇宙」に存立しているのだろうか? ――論理的な操作を加えて、富樫と「富樫」を同一「宇宙」上に存在せしめようとしても、それは、おそらく「富樫」がホーム…

新世紀「謎」倶楽部・制作『EDS  緊急推理解決院』(光文社カッパノベルス)レビュー

本日のエピグラフ 一人の超人的探偵にすべてを任せずに、(中略)事件解決の効率化を狙う。それがこの《緊急推理解決院》のビジネスモデルだ。(P401より) EDS緊急推理解決院 (カッパノベルス)作者: 新世紀「謎」倶楽部出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005…

松尾由美『ハートブレイク・レストラン』(光文社)レビュー

ハートブレイク・レストラン作者: 松尾由美出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/11/19メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (22件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル8 インプレッション8 トータル39 ハ…

島田荘司『エデンの命題』(光文社カッパノベルス)レビュー

エデンの命題 The Proposition of Eden (カッパノベルス)作者: 島田荘司出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/11/22メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (50件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル8 インプレッ…

引き続き、2006ミステリ年度上半期作品のレビューを転載します。♪読め、と言われて、素直に読んだぁ〜、はた、と騙され、もんどりうった〜〜♪

柳広司『我輩はシャーロック・ホームズである』(小学館)レビュー

本日のエピグラフ きみたちの二つの夢。基督教と社会主義。あの世と未来。日本はそのいずれも、これまで信じてこなかったし、これからも決して信じることがないだろう。それらは、ぼくたちが見る夢ではないのだ……。(P204より) 吾輩はシャーロック・ホー…

鳥飼否宇『激走 福岡国際マラソン』(小学館)レビュー

本日のエピグラフ 問題は(中略)微妙な立場だった。/これは記録で克服するしかない。(P231より) 激走 福岡国際マラソン―42.195キロの謎 (小学館ミステリー21)作者: 鳥飼否宇出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/11メディア: 単行本 クリック: 20回この…

折原一『グッドバイ  叔父殺人事件』(原書房)レビュー

グッドバイ―叔父殺人事件 (ミステリー・リーグ)作者: 折原一出版社/メーカー: 原書房発売日: 2005/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル39 久し…

引き続き、2006ミステリ年度上半期作品のレビューの転載です。読むは一時の浪費、読まぬは一生の濫費。

法月綸太郎『怪盗グリフィン、絶体絶命』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ (前略)わしらが二人とも安泰であることが、おたがいの信頼関係のなによりの証なのだから。(P195より) 怪盗グリフィン、絶体絶命 (ミステリーランド)作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/03/17メディア: 単行本購入: 2…

綾辻行人『びっくり館の殺人』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ ドアも窓も……出入口がすべて内側から閉ざされた密室の中で、古屋敷氏は殺されたのだ。つまり――だから、犯人はやはり……。(P38〜39より) びっくり館の殺人 (ミステリーランド)作者: 綾辻行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/03/17…

二階堂黎人『カーの復讐』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ 《ホルスの眼》さ。(中略)神の眼ならば、密室も、鍵のかかった部屋も妨げにはならない。その慧眼で、すべてのものを見通すのだ。(P158より) カーの復讐 (ミステリーランド)作者: 二階堂黎人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/11/25…

引き続き、2006ミステリ年度上半期作品のレビューを転載します。読むなら読まねば。

貫井徳郎『空白の叫び 上・下』(小学館)レビュー

本日のエピグラフ (前略)彼が何をし、そしてなんの報いで命を落とすことになったのか、全部わかっている。でも、ぼくはそれをあなたに語らない。(中略)彼は自分の人生に、あなたのような人を巻き込むべきではなかった。(下巻P572より) 空白の叫び 上作者…

山田正紀『マヂック・オペラ』(早川書房)レビュー

本日のエピグラフ 思うに、ドッペルゲンガーは世紀末の病なんでしょう。東京は急速な都市化が進行して、すべてが空虚な複製のうちにある。(P261より) マヂック・オペラ --二・二六殺人事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)作者: 山田正紀出版社/メーカー: …

田中啓文『落下する緑』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ 「(前略)自分よりはるかに年下のやつが、自分よりはるかにうまかったら」/「習いにいきますね」(「反転する黒」P107より) 落下する緑 永見緋太郎の事件簿 (創元クライム・クラブ)作者: 田中啓文出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 20…

野崎六助『イノチガケ 安吾探偵控』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ イノチガケ。イノチガケの探偵小説、それが一同のもとに降りてきたのだ。(P110より) イノチガケ 安吾探偵控 (創元クライム・クラブ)作者: 野崎六助出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/11/23メディア: 単行本(ソフトカバー) ク…

さあ、もう10月です。いよいよ2006ミステリ年度(2005年11月〜2006年10月)の最終決算の時期が近づいてきました。当ブログを、はてなの方に移したのは、ミステリ年度の下半期に入ってからなんですが、ミステリ年度上半期、即ち昨年末から今年の冬春にか…