作者名ナ行

似鳥鶏『いわゆる天使の文化祭』(創元推理文庫)レビュー

いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)作者: 似鳥鶏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/12/11メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (39件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション…

中山七里『贖罪の奏鳴曲』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ 「司法試験はなあ、人格関係ないねん。な、オモロイやろ。困ってる人間助けるはずの商売なのに、人間性は考慮されへんのや。(…)」(p.157) 贖罪の奏鳴曲作者: 中山七里出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/22メディア: 単行本 クリック:…

法月綸太郎『キングを探せ』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ 「細かいことを言うなよ。チェスでも将棋でも、最終的な目標は敵の王を詰めることだ。四人目の共犯者というより、キングと呼んだ方が張り合いがある」(p.201) キングを探せ (特別書き下ろし)作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日…

中山七里『要介護探偵の事件簿』(宝島社)レビュー

要介護探偵の事件簿作者: 中山七里出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2011/10/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (15件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル38 デビュー作…

西澤保彦『彼女はもういない』(幻冬舎)レビュー

本日のエピグラフ ……こいつの身元についてはいずれ警察が調べてくれることになるはずだから、と。(p.121) 彼女はもういない作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/10/06メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (17件) を見る ミ…

長沢樹『消失グラデーション』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ (…)後悔。大きすぎる後悔。人の心の機微がわからない。距離感がつかめない。中学、高校と本気で人と向き合ってこなかったツケがこれだ。(…)(p.83) 消失グラデーション作者: 長沢樹,青山裕企出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッ…

西澤保彦『赤い糸の呻き』(東京創元社)レビュー

赤い糸の呻き作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/08/11メディア: 単行本 クリック: 20回この商品を含むブログ (14件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル8 インプレッション8 トータル39 今年は短編集…

二階堂黎人『東尋坊マジック』(実業之日本社)レビュー

東尋坊マジック作者: 二階堂黎人出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2011/08/18メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る ミステリアス8 アクロバット7 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル36 二重のア…

似鳥鶏『まもなく電車が出現します』(創元推理文庫)レビュー

まもなく電車が出現します (創元推理文庫)作者: 似鳥鶏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/05/29メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 37回この商品を含むブログ (42件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッシ…

中山七里『魔女は甦る』(幻冬舎)レビュー

魔女は甦る作者: 中山七里出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/05メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る ホラー的要素を取り入れて、サスペンスをあたうかぎり物語を牽引することに奉仕させようとする意志が横溢しているが、そ…

永瀬隼介『刑事の骨』(文藝春秋)レビュー

刑事の骨作者: 永瀬隼介出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/06/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る 元エリート刑事が汚名をすすぐかたちで、取り逃がしたサイコパスの追跡を始める。多視点構成が、一筋縄でいかないスト…

西澤保彦『必然という名の偶然』(実業之日本社)レビュー

必然という名の偶然作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2011/05/19メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (9件) を見る この作者ならではの知的アクロバットの堪能できる傑作短編集。論理的展開を斜め上どころかありえない方…

中山七里『連続殺人鬼 カエル男』(宝島社文庫)レビュー

連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)作者: 中山七里出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2011/02/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 46回この商品を含むブログ (44件) を見る 受賞デビュー作と同時に投じられた本作と、近作を読むと、バイオレンスシーンに西村…

長岡弘樹『線の波紋』(小学館)レビュー

線の波紋作者: 長岡弘樹出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/09/29メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る 連作短編集に新趣向。ひとつの幼女誘拐事件に、付随したいくつかのミステリー。作者の堅実な筆致は、小説の立体的構成に…

中山七里『おやすみラフマニノフ』(宝島社)レビュー

本日のエピグラフ それってガチガチの運命論じゃないだろうか――でも、選ばれる人間はいずれ選ばれる、という言葉は不思議に腑に落ちた。(p.183) おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)作者: 中山七里出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2010/10/12メ…

西澤保彦『幻視時代』(中央公論新社)レビュー

本日のエピグラフ 「(…)『境界線』ってずばり、ミツコがどこでどうやってミツオという男に変わり、そしてまた女に戻るのか、その境目ってことでしょ」(p.84) 幻視時代作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2010/10メディア: 単行本 クリック:…

貫井徳郎『灰色の虹』(新潮社)レビュー

灰色の虹作者: 貫井徳郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (15件) を見る 復讐者を追う刑事は、かつて恋人を暴漢たちに、少額の金銭を奪うために顔を叩き潰されて殺された過去を持つ。そ…

西本秋『向日葵は見ていた』(双葉社)レビュー

向日葵は見ていた作者: 西本 秋出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2010/07/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る サスペンス・スリラーとして上々の出来映え。道具立てを虚仮威しに終わらせぬディテールの確かさがある反面、…

西澤保彦『からくりがたり』(新潮社)レビュー

からくりがたり作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (14件) を見る 今年の西澤さんは、ちょいシュール。『こぼれおちる刻の汀』はどう評価していいか、ちょっと。ミステリ部…

二階堂黎人『誘拐犯の不思議』(光文社)レビュー

誘拐犯の不思議作者: 二階堂黎人出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/07/17メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル37 なんだか80年…

七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』(東京創元社)レビュー

アルバトロスは羽ばたかない作者: 七河迦南出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/07/27メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 60回この商品を含むブログ (44件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション7 ト…

貫井徳郎『明日の空』(集英社)レビュー

明日の空作者: 貫井徳郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/05/26メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (24件) を見る 仕掛けが、あざとさを感じさせない。重量感のある諸作を物してきた作者の新作としては軽量級だけれども、持ち重りはし…

永嶋恵美『W――二つの夏』(講談社)レビュー

W――二つの夏作者: 永嶋恵美出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/02/02メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る 語り手の少女たちをはじめとする若い登場人物たちの肖像がくっきり浮かび上がってくるぶん、作為的な構成が一般読者…

中山七里『さよならドビュッシー』(宝島社)レビュー

さよならドビュッシー作者: 中山七里出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2010/01/08メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 52回この商品を含むブログ (55件) を見る 音楽ミステリー的重厚さとは一線を画す。いい意味でも悪い意味でも劇画調だが、たぶんそれゆえ…

似鳥鶏『さよならの次にくる  』(創元推理文庫) レビュー

本日のエピグラフ 「子供、って、そんなに欲しいものですか」/(…)/「いなくてもいいと思う人はいるだろう。だが失っていいと思う人はいない」(P298より) (創元推理文庫)" title="さよならの次にくる (創元推理文庫)">さよならの次にくる (創元推理文庫…

貫井徳郎『後悔と真実の色』(幻冬舎)レビュー

後悔と真実の色作者: 貫井徳郎出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/10/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (27件) を見る 久しぶりの警察小説は、大満足。それぞれの刑事たちの肖像がくっきりとしているけれども、必要以上にア…

西澤保彦『身代わり』(幻冬舎)レビュー

本日のエピグラフ 「(…)あたしにとってだいじなのは、この世のなかの、なんでもいい、なにかひとつでもいい、自由自在に操れる能力があるか否かなんだ、って」(P110より) 身代わり作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/09/01メディア: ハ…

沼田まほかる『アミダサマ』(新潮社)レビュー

アミダサマ作者: 沼田まほかる出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (19件) を見る 人間の関係性の強烈さが全面に強く滲み出ていると思えるのは、怪異現象部分の不条理さとのコントラストが…

二階堂黎人『智天使(ケルビム)の不思議』(光文社)レビュー

智天使(ケルビム)の不思議作者: 二階堂黎人出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/06/23メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (7件) を見る ミステリアス8 アクロバット9 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル38 『…

西澤保彦『動機、そして沈黙』(中央公論新社)レビュー

動機、そして沈黙作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/07/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (13件) を見る ミステリ的興味を作者ならではのシュールなサスペンスで演出した6編。ディスカッションの果てに見出さ…