作者名ヤ行

山口芳宏『学園島の殺人』(講談社ノベルズ)レビュー

学園島の殺人 (講談社ノベルス)作者: 山口芳宏出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/02/05メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 19回この商品を含むブログ (14件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッショ…

山口芳宏『100人館の殺人』(東京創元社)レビュー

100人館の殺人作者: 山口芳宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/03/24メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (13件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション7 トータル37 なんだ、赤川…

山下貴光『少年鉄人』(宝島社)レビュー

少年鉄人作者: 山下貴光出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2009/09/10メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (6件) を見る 本編の内容よりも、別のところに関心が行ってしまった。普通、書き手の成長っていうのは、作品ごとに観察されるものだ…

矢作俊彦 司城志朗『犬なら普通のこと』(早川書房)レビュー

犬なら普通のこと (ハヤカワ・ミステリワールド)作者: 矢作俊彦,司城志朗出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/10/30メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (8件) を見る 欲望の交通路としての沖縄を描ききった。硬質な文体と、ス…

山口芳宏『妖精島の殺人 上・下』(講談社ノベルス)レビュー

本日のエピグラフ 「(…)でも現在のテクノロジーなら、自分が生きているうちに理想郷をつくることも可能だ。(…)」(上巻 P166より) 妖精島の殺人(上) (講談社ノベルス)作者: 山口芳宏出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/08メディア: 単行本 クリック:…

詠坂雄二『電氣人間の虞』(光文社)レビュー

電氣人?の虞作者: 詠坂雄二出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/09/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 40回この商品を含むブログ (19件) を見る “本格”におけるシニカル路線を突き進む作者による今作は、前作に入れ込んだひとなら、間…

米澤穂信『追想五断章』(集英社)レビュー

追想五断章作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/08/26メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 86回この商品を含むブログ (122件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル8 インプレッション8 トータル39 作者の新…

柳広司『ダブル・ジョーカー』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ それが嫌なら、初めからスパイになどならなければ良い。自分にはそれ(、、)が出来ないことを認め、安穏としたぬるま湯の人生を楽しむことが可能ならば――。(「ブラックバード」P232より) ダブル・ジョーカー作者: 柳広司出版社/メーカ…

山口雅也『新・垂里冴子のお見合いと推理』(講談社)レビュー

新・垂里冴子のお見合いと推理作者: 山口雅也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/05/29メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (22件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル38 …

米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件 上・下』(創元推理文庫)レビュー

本日のエピグラフ 「甘い衣の上に衣をまとって、何枚も重ね着していって。そうしていくうちにね、栗そのものも、いつかキャンディーみたいに甘くなってしまう。(…)上辺が本性にすり替わる。手段はいつか目的になる。(…)」(上 P170より) 秋期限定栗きんと…

結城充考『プラ・バロック』(光文社)レビュー

プラ・バロック作者: 結城充考出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/03/24メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (23件) を見る ちょっと大味、かな。ビジュアルに遡及する“像”の数々が先にあり、それらに適合する“物語”を用意したかなという…

柳広司『虎と月』(理論社)レビュー

虎と月 (ミステリーYA!)作者: 柳広司出版社/メーカー: 理論社発売日: 2009/02/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (34件) を見る 一発ネタ。この題材を堂々とジュブナイルに仕立て上げる手腕はさすがなもの。お子様になんの躊…

山下貴光『屋上ミサイル』(宝島社) レビュー

屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)作者: 山下貴光出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2009/01/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログ (61件) を見る 某作家のエピゴーネンというよりかは、エンタメ小説の現在の位相を、(意識的にか…

柚月裕子『臨床真理』(宝島社)レビュー

臨床真理 (このミス大賞受賞作)作者: 柚月裕子出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2009/01/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (46件) を見る リーダビリティは抜群。物語に膨らみが欠けるのが難。ただ、小説を書くセンスは十二分…

山口芳宏『豪華客船エリス号の大冒険』(東京創元社)レビュー

豪華客船エリス号の大冒険作者: 山口芳宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/11メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (15件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス8 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル39 漫…

米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』(新潮社)レビュー

本日のエピグラフ 「古書に曰く、アミルスタン羊は『唇』が佳いとあります。今夜は唇の蒸し物を、心ゆくまでご堪能いただきたいと考えております」(「儚い羊たちの晩餐」PP251−252より) 儚い羊たちの祝宴作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 新潮社発売日:…

柳広司『ジョーカーゲーム』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ 結局のところ、優れたスパイとは、己以外のすべてを捨て去り、愛する者を裏切ってもなお、たった一人で平気で生きて行ける者たちのことなのだ。(「xx(ダブルクロス)」P250より) ジョーカー・ゲーム作者: 柳広司出版社/メーカー: 角川…

詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社)レビュー

本日のエピグラフ 「一応、ここから先の推理も考えてきたんですけど……聞いて貰えます?」/「どうせ妄想だろう」/「そいつを売ってんです。(…)」(P237より) 遠海事件作者: 詠坂雄二出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/07/18メディア: 単行本購入: 3人…

吉永南央『誘う森』(東京創元社)レビュー

[rakuten:book:12983850:detail] 作者のデビュー作『紅雲町ものがたり』を読めば、創元側が日常の謎系目当てで原稿依頼したのがわかる(冗談)。たおやかな文章で、妻の自死の真相を追う男の探偵行を綴るが、コアとなるネタは、どちらかといえば、とんでもない…

矢作俊彦『傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを』(講談社)レビュー

傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを作者: 矢作俊彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/06/20メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 52回この商品を含むブログ (28件) を見る マンハッタン・オプがめでたく復刊したと思ったら、往年のTVシリーズまでも…

山口雅也『キッド・ピストルズの最低の帰還』(光文社)レビュー

本日のエピグラフ 「……私が見たと蠅は言う――よ。(…)蠅男(フライマン)は、壁にへばりついて、雀だか駒鳥だかの殺しについても目撃しているはずなんだわ」(「誰が駒鳥を殺そうが」P54より) キッド・ピストルズの最低の帰還作者: 山口雅也出版社/メーカー:…

薬丸岳『虚夢』(講談社)レビュー

虚夢作者: 薬丸岳出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/05/23メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 12回この商品を含むブログ (23件) を見る 小説は上手い。のだけれども、なんというか、作者の内なるPC的良心といったらいいのか、そういうのが、おさまり…

山口雅也『モンスターズ』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ 「いや、慰めはいらん。わしの暗い世界観など忘れて、眼の前のモンスターを倒すんだ。隠れ場所が必要なら、わしの研究室を提供しよう。他に敷地内の恰好の隠れ場所を教えてもいい。(…)」(「モンスターズ」P326より) モンスターズ作…

山口芳宏『雲上都市の大冒険』(東京創元社)レビュー

雲上都市の大冒険作者: 山口芳宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/10メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (29件) を見る ミステリアス8 アクロバット8 サスペンス7 アレゴリカル7 インプレッション8 トータル38 愉しいです…

米澤穂信『遠まわりする雛』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ 「それで、答えられる目処はたっているのか」/(中略)/「もう少しなんだ、もう少し……。言葉にならないだけなんだ」(「手作りチョコレート事件」P298より) 遠まわりする雛作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/10メデ…

山田正紀『白の協奏曲』(双葉社)レビュー

白の協奏曲(コンチェルト)作者: 山田正紀出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2007/09メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る 時代背景が出てる出てる。刊行前に、どこまで手直ししたかどうかわからないけれど、ナラティブのレベルで…

米澤穂信『インシテミル』(文藝春秋)レビュー

本日のエピグラフ 「(前略)このをデザインしたやつ、です。そこの人間は、少なくとも空気の読めないミステリ読みです」(P379より) インシテミル作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 598回この商…

山沢晴雄 日下三蔵・編『離れた家 山沢晴雄傑作集』(日本評論社)レビュー

本日のエピグラフ ……つまり、現実の世界にそれが実現される以前に「念の世界」に於ける運命の形成がある。(中略)だから近い将来に関しての予言は可能なんだ。(「神技」P190より) 離れた家―山沢晴雄傑作集 (日下三蔵セレクション)作者: 山沢晴雄,日下三蔵…

吉田修一『悪人』(朝日新聞社)レビュー

悪人作者: 吉田修一出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/04/06メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 134回この商品を含むブログ (307件) を見る ドキュメントタッチの犯罪小説の結構をもっていても、作者らしい文体の持ち味は健在。事件当事者だけなく…

柳広司『漱石先生の事件簿 猫の巻』(理論社)レビュー

漱石先生の事件簿―猫の巻 (ミステリーYA!)作者: 柳広司出版社/メーカー: 理論社発売日: 2007/04/01メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (36件) を見る ミステリアス7 アクロバット8 サスペンス6 アレゴリカル7 インプレッション9 トー…